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Dear My Star

幸せになろう。 僕らが出逢ったのは、きっとそのためだから。

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集中力がありすぎるというのもある意味困ったものですね!という話。



+++++
「ねぇ春歌ぁ」
「なぁに、友ちゃん」
「昨日と今日は週末で特に差し迫った課題があるわけでもなく学校が休みだったわけだけどさ」
「や、やけに説明的だね・・・そうだけど」
「うん、それでさ」
「うん?」

「・・・のこと見かけた?」

「・・・・・・・・・」
「確かに部屋はそれなりに防音になってるけど、さすがに完全防音じゃないわよね?」
「うん・・・そうだね・・・」
の部屋って、あたしたちの隣よね?」
「そう、だね・・・?」
「そんでもってって角部屋よね?」
「・・・うん」
「あたしたち、基本的に昨日も今日も部屋で過ごしてたわよね?」
「う、ん・・・」
「・・・の気配、した?」
「・・・金曜日の夜におやすみって云ってから、部屋から出た気配はなかったけど・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・と、友ちゃん・・・」
「・・・ちょっと部屋見てくるわ」

神妙な顔で立ち上がった友千香の後姿に、春歌はいってらっしゃい、と声をかける。
云われるまで気付かなかったが、確かに昨日今日と春歌も友千香もの姿を見ていなかった。
メールは面倒だからあまりしない性格のからメールが来ることは本当にまれだし、用事があれば直接訪ねてくるから、から連絡がないことは特に気にしていなかったのだけれど。

云われてみればの部屋は角部屋で、自分たちはその隣の部屋。
が部屋を出て行けば、いくらなんでも気付くだろう。
しかしこの2日間、が部屋から出て行ったことはなかったように思う。別にいつもの様子を気にしているわけではないが、隣部屋である以上ある程度行動は把握できてしまうものだ。
は共同浴場を使わないし、食事も自分で作って部屋で済ませてしまうから外出自体は少ないのだが。
2日間丸っきり外出しないというのも、なんだか妙な気もする。
まさか。
と春歌がハッとしたのと、隣の部屋で友千香が叫ぶのは同時だった。


「この馬鹿―――ッ!!!」





春歌の予想通り、どうやらはこの2日間飲まず食わずで作曲に没頭し―――空腹と疲労により、死んだように机に突っ伏していたのだった。

全く予想出来なかったと云えばそれは嘘になってしまうのだが、は普段から音楽に没頭しすぎて食事や睡眠を疎かにするところがあった。
目の下に隈を作って登校してきて心配して声を掛けると、何故か翔から心配すんなと首を振られることもしばしばあったのだ。
学校にいる間であれば同じクラスの翔やトキヤやレンが声を掛けるから問題ないのだが、ちょうど丸2日間も学校が休みなのが悪かった。
ケータイを不携帯、もしくはマナーモードや電源を切ったまま放置するにその手の連絡では意味がないし、直接訪ねようにも意味もなく押しかけることは春歌も友千香もしない。男子は寮自体違うし、運悪く寮が違くとも平気で部屋を訪れる翔は用事があって帰省中。
タイミングが悪かったとしか云いようがなかったのである。

この後は友千香にたっぷり絞られ、友人たちにばらされさらに説教を食らい(主に翔とトキヤから)、体調管理に関してはまったく信用を失うことになる。
ちなみにの部屋がたまり場になった理由はこれに起因するとか、しないとか。真偽は定かではない。





翔は純粋に心配して、トキヤは普段の仕返しとして嬉々として。あ、ちゃんと心配もしてますよ(笑)


20120724

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