Dear My Star
幸せになろう。 僕らが出逢ったのは、きっとそのためだから。
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こういう仕事ばっかり早くてやんなっちゃう!ホントすみません楽しかったです
でもシャイニーの口調をどう書いたらいいかわかんなくて割と標準語しゃべってます。脳内でCV若本さんに変換していただけるととてもいいかと(無茶な)
パッションがあふれてるうちにみじみじ書いてようと思います。レン様早く出したいレン様ぁ、はやくぅ(しね)
流れはアニメ沿いだけどかなり俺設定が割り込みます。なぜならレン様と絡めたいから。好みがバレバレの話になることはうけあいです。
あとご都合主義がはびこるので、アニメの設定混ぜこんだ全然違う話と思っていただいた方がいいかもしれない。
レン様かっこよくてつらい
というわけでどうぞ。
まだまだ始まったばっかりですが。
+++++
でもシャイニーの口調をどう書いたらいいかわかんなくて割と標準語しゃべってます。脳内でCV若本さんに変換していただけるととてもいいかと(無茶な)
パッションがあふれてるうちにみじみじ書いてようと思います。レン様早く出したいレン様ぁ、はやくぅ(しね)
流れはアニメ沿いだけどかなり俺設定が割り込みます。なぜならレン様と絡めたいから。好みがバレバレの話になることはうけあいです。
あとご都合主義がはびこるので、アニメの設定混ぜこんだ全然違う話と思っていただいた方がいいかもしれない。
レン様かっこよくてつらい
というわけでどうぞ。
まだまだ始まったばっかりですが。
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人気アイドル・早乙女まどかの病気療養についてのニュースは、瞬く間に広まった。
「ねぇニュースみた?」
「みたみたー! 早乙女まどか、病気療養だってね!」
「何の病気かなぁ? ちゃんと治ればいいけど」
「何云ってんだ、俺たちのまどかちゃんは絶対帰ってきてくれる!!」
「はいはい。でも、早く帰ってきてほしいね」
「うん、まどかの笑顔って見てると元気になれるもんね!」
「早乙女まどかが病気療養?」
「確かに最近調子悪そうだったが・・・病気だったのか?」
「さぁ。関係者にすら事情説明はほとんどなかったから、こっちにもさっぱりだ」
「怪しいな」
「ああ。だが、シャイニング事務所の連中は固いからな。なかなか情報が漏れない」
「・・・まぁ、業界に対して何かやらかさなければそれでいいさ」
「そうだな。シャイニング事務所を敵に回す気はない」
「早乙女まどかが病気療養!?」
「ってことはしばらくまどかがメディアに出ないってことよね!?」
「じゃ、じゃあもしかして今ならあたしたちでも頑張れば・・・!」
「・・・よしなよ。あたしたちでまどかに勝てると思う? 自分だってまどかのファンなくせに」
「そ、そうだけどさぁ・・・だってまどか可愛いもん、しょうがないじゃん」
「そういうこと。だから、今のうちにまどかに取って代わろうなんて思わないほうがいいんじゃない? どうせ無駄だもん」
「うう・・・」
「・・・しばらく本物のまどかには会えないのかぁ・・・」
「・・・寂しいね」
「・・・うん」
最後の一枚にサインをし、早乙女まどか――本名、各務冴は事務所社長兼早乙女学園学園長に書類を差し出した。
「・・・確かに、受け取りマーッス」
「ありがとうございます」
それは入学届だった。
冴は義務教育を終了してからは高校に通わず芸能活動に専念してきた。芸能活動の片手間にはとても学業に専念できないし、今後一生この道で生きていくと決めていた冴に高校は必要なかったのだ。
だが、今回の話は別だった。
早乙女学園は、シャイニング事務所社長のシャイニング早乙女が運営する、アーティストを育成するための専門学校だ。
冴はここで改めて音楽を学ぶことを決心した。
早乙女まどかとしてではなく、各務冴として。
さっと書類に目を通したシャイニング早乙女は、不備がないことを確認してからひとつ頷いた。
「いいでしょう。入学試験の日程はわかっていますね?」
「ええ」
「私は結果について口出ししまセーン。実力で入学なッサーイ」
「もちろん、わかっています」
はっきりとした冴の答えに、早乙女は満足そうに笑った。
幼いころにCMで子役デビューをした冴をずっと支援し続けてきたのは何を隠そう早乙女だった。以来、本格的に芸能活動をすることになった冴の後押しを惜しんだことはない。
家庭の事情で親元から離れて暮らしていた冴は、早乙女を慕っていた。実の父親にように、というのは些か云いすぎだが、それでも、家族のように優しく厳しく接し、芸能界のノウハウを自身に教え込んでくれた早乙女に感謝していた。
いつかこの恩は返したいと思っている。
けれど、その前に。
どうしても、挑戦しておきたいことがあったのだ。
「・・・すみません」
「ンンー?」
「・・・我儘を、云いました」
冴として早乙女学園に通い学業に専念するため、早乙女まどかを休むこと。
これが冴にとって心残りだった。
しかし、これまで同様に芸能活動をこなしながら学園に通うことなど出来ないと冴にはわかっていた。
まどかとしての仕事量は半端ではない。それに、専門学校という特性上課題は難しいだろうし、量もこなす必要がある。
どちらかにしなければならなかったのだ。
両方選び、どちらも中途半端にするのが一番嫌だったから。
そして冴が選んだのが、学園だった。
けれど、それでも、どうしても。
「・・・いいんですよ」
「・・・・・・・・・」
「アイドルは我儘で結構! それすら受け入れるのが、我々デース」
「・・・・・・社長」
早乙女の嘘のない笑顔に、冴は泣きそうになった。
昔からずっと自分を支え続けてくれているこの人に、きっといつか、恩返しをしよう。深々と頭を下げながら、改めてそう思った。
そのためにはまず成功しなければならない。
この決断は、成功のための第一段階だ。
まずは競争率200倍の超難関を突破すること。
それからまだまだやらなければならないことがある。
「それにしても、化粧と服装で女は変わるといいますが・・・ユーの場合、変わりすぎですネ?」
突然しみじみと云われ、冴は一瞬きょとんとした。それからややあって微笑む。
早乙女まどかの容姿を一言で表すなら、派手だ。
いつでも笑顔を絶やさず快活なイメージが強く、明るい茶色の髪は大きめのウェーブがうねり、邪魔になりすぎない程度の煌びやかな髪飾りはファンが真似することでも有名だった。服も一流のブランド品を嫌味なく着こなし、カラーリングも鮮やか。靴やバッグなどの小道具、爪の先まで手を抜かず、まさにファッションリーダーと呼べる存在だ。
しかし、今の冴の格好と云えば髪は真っ黒に戻り、真っ直ぐな髪を2つの三つ編み。前髪も長めに下ろして眼鏡をかけているから、綺麗な顔立ちをしているのが全部台無しだった。服装もいたって質素で、ファッションリーダーからは程遠い。
まさに別人だった。
「早乙女まどかと各務冴、このふたりが同一人物だなんて、きっと誰も気付きまセーン」
「そう願います」
早乙女まどかはアイドルを演じるためのキャラクターだ。冴は本来別に派手好きでもなんでもない、ただの可愛らしい女の子なのだ。
普通の自分に戻るだけでこんなに変わってしまうとは確かに驚きだが、嫌な気分はしない。まどかも冴も自分であって、演じていてもまどかは冴。それをちゃんとわかっている。
それに、パッと見でもまったく別人に見えるのは好都合だった。
何せ、冴が学園に通う条件が『早乙女まどかであることが周囲に知られたら即退学』なのだ。
確かに人気アイドルである早乙女まどかが今更学校に入り直すというのはニュースになりかねないし、周囲の生徒にも何らかの影響を与えてしまうかもしれない。
冴自身余計なことに煩わされず学業に専念したいという気持ちが強かったため、この条件にはもちろん頷いた。
ばれたら退学、という後がない状況だし、何があろうと知られるわけにはいかない。
「そろそろ行きます。お時間取らせてしまって、すみませんでした」
「イエイエ。可愛いユーのためなら」
「・・・ありがとうございます」
もう一度早乙女に深くお辞儀をし、冴は部屋を後にした。
帰って勉強しなければならない。試験に落ちたら、恩返しもくそもないのだから。
絶対に合格する。
そして、絶対に。
―――私は、私だけの唄を唄いたい。
Dear My Star
01.はじめの一歩
20120702
「ねぇニュースみた?」
「みたみたー! 早乙女まどか、病気療養だってね!」
「何の病気かなぁ? ちゃんと治ればいいけど」
「何云ってんだ、俺たちのまどかちゃんは絶対帰ってきてくれる!!」
「はいはい。でも、早く帰ってきてほしいね」
「うん、まどかの笑顔って見てると元気になれるもんね!」
「早乙女まどかが病気療養?」
「確かに最近調子悪そうだったが・・・病気だったのか?」
「さぁ。関係者にすら事情説明はほとんどなかったから、こっちにもさっぱりだ」
「怪しいな」
「ああ。だが、シャイニング事務所の連中は固いからな。なかなか情報が漏れない」
「・・・まぁ、業界に対して何かやらかさなければそれでいいさ」
「そうだな。シャイニング事務所を敵に回す気はない」
「早乙女まどかが病気療養!?」
「ってことはしばらくまどかがメディアに出ないってことよね!?」
「じゃ、じゃあもしかして今ならあたしたちでも頑張れば・・・!」
「・・・よしなよ。あたしたちでまどかに勝てると思う? 自分だってまどかのファンなくせに」
「そ、そうだけどさぁ・・・だってまどか可愛いもん、しょうがないじゃん」
「そういうこと。だから、今のうちにまどかに取って代わろうなんて思わないほうがいいんじゃない? どうせ無駄だもん」
「うう・・・」
「・・・しばらく本物のまどかには会えないのかぁ・・・」
「・・・寂しいね」
「・・・うん」
最後の一枚にサインをし、早乙女まどか――本名、各務冴は事務所社長兼早乙女学園学園長に書類を差し出した。
「・・・確かに、受け取りマーッス」
「ありがとうございます」
それは入学届だった。
冴は義務教育を終了してからは高校に通わず芸能活動に専念してきた。芸能活動の片手間にはとても学業に専念できないし、今後一生この道で生きていくと決めていた冴に高校は必要なかったのだ。
だが、今回の話は別だった。
早乙女学園は、シャイニング事務所社長のシャイニング早乙女が運営する、アーティストを育成するための専門学校だ。
冴はここで改めて音楽を学ぶことを決心した。
早乙女まどかとしてではなく、各務冴として。
さっと書類に目を通したシャイニング早乙女は、不備がないことを確認してからひとつ頷いた。
「いいでしょう。入学試験の日程はわかっていますね?」
「ええ」
「私は結果について口出ししまセーン。実力で入学なッサーイ」
「もちろん、わかっています」
はっきりとした冴の答えに、早乙女は満足そうに笑った。
幼いころにCMで子役デビューをした冴をずっと支援し続けてきたのは何を隠そう早乙女だった。以来、本格的に芸能活動をすることになった冴の後押しを惜しんだことはない。
家庭の事情で親元から離れて暮らしていた冴は、早乙女を慕っていた。実の父親にように、というのは些か云いすぎだが、それでも、家族のように優しく厳しく接し、芸能界のノウハウを自身に教え込んでくれた早乙女に感謝していた。
いつかこの恩は返したいと思っている。
けれど、その前に。
どうしても、挑戦しておきたいことがあったのだ。
「・・・すみません」
「ンンー?」
「・・・我儘を、云いました」
冴として早乙女学園に通い学業に専念するため、早乙女まどかを休むこと。
これが冴にとって心残りだった。
しかし、これまで同様に芸能活動をこなしながら学園に通うことなど出来ないと冴にはわかっていた。
まどかとしての仕事量は半端ではない。それに、専門学校という特性上課題は難しいだろうし、量もこなす必要がある。
どちらかにしなければならなかったのだ。
両方選び、どちらも中途半端にするのが一番嫌だったから。
そして冴が選んだのが、学園だった。
けれど、それでも、どうしても。
「・・・いいんですよ」
「・・・・・・・・・」
「アイドルは我儘で結構! それすら受け入れるのが、我々デース」
「・・・・・・社長」
早乙女の嘘のない笑顔に、冴は泣きそうになった。
昔からずっと自分を支え続けてくれているこの人に、きっといつか、恩返しをしよう。深々と頭を下げながら、改めてそう思った。
そのためにはまず成功しなければならない。
この決断は、成功のための第一段階だ。
まずは競争率200倍の超難関を突破すること。
それからまだまだやらなければならないことがある。
「それにしても、化粧と服装で女は変わるといいますが・・・ユーの場合、変わりすぎですネ?」
突然しみじみと云われ、冴は一瞬きょとんとした。それからややあって微笑む。
早乙女まどかの容姿を一言で表すなら、派手だ。
いつでも笑顔を絶やさず快活なイメージが強く、明るい茶色の髪は大きめのウェーブがうねり、邪魔になりすぎない程度の煌びやかな髪飾りはファンが真似することでも有名だった。服も一流のブランド品を嫌味なく着こなし、カラーリングも鮮やか。靴やバッグなどの小道具、爪の先まで手を抜かず、まさにファッションリーダーと呼べる存在だ。
しかし、今の冴の格好と云えば髪は真っ黒に戻り、真っ直ぐな髪を2つの三つ編み。前髪も長めに下ろして眼鏡をかけているから、綺麗な顔立ちをしているのが全部台無しだった。服装もいたって質素で、ファッションリーダーからは程遠い。
まさに別人だった。
「早乙女まどかと各務冴、このふたりが同一人物だなんて、きっと誰も気付きまセーン」
「そう願います」
早乙女まどかはアイドルを演じるためのキャラクターだ。冴は本来別に派手好きでもなんでもない、ただの可愛らしい女の子なのだ。
普通の自分に戻るだけでこんなに変わってしまうとは確かに驚きだが、嫌な気分はしない。まどかも冴も自分であって、演じていてもまどかは冴。それをちゃんとわかっている。
それに、パッと見でもまったく別人に見えるのは好都合だった。
何せ、冴が学園に通う条件が『早乙女まどかであることが周囲に知られたら即退学』なのだ。
確かに人気アイドルである早乙女まどかが今更学校に入り直すというのはニュースになりかねないし、周囲の生徒にも何らかの影響を与えてしまうかもしれない。
冴自身余計なことに煩わされず学業に専念したいという気持ちが強かったため、この条件にはもちろん頷いた。
ばれたら退学、という後がない状況だし、何があろうと知られるわけにはいかない。
「そろそろ行きます。お時間取らせてしまって、すみませんでした」
「イエイエ。可愛いユーのためなら」
「・・・ありがとうございます」
もう一度早乙女に深くお辞儀をし、冴は部屋を後にした。
帰って勉強しなければならない。試験に落ちたら、恩返しもくそもないのだから。
絶対に合格する。
そして、絶対に。
―――私は、私だけの唄を唄いたい。
Dear My Star
01.はじめの一歩
20120702
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